前立腺がんに対する小線源療法の方法

直腸から入れた超音波装置で映し出された前立腺の画像を基に、会陰部(睾丸と肛門の間)に針を20本ほどを刺して、ヨウ素125という放射性物質が封入された純チタン製のカプセル(50〜100個)を挿入します。麻酔を使用するので、痛みを感じることはありません。

針を刺入する位置、線源を留置する場所、その個数はいずれもコンピューターによる治療計画に基づいて決定されます。線源の挿入は泌尿器科医師が、治療計画は放射線医師が担当します。

入院期間は、入院した翌日に治療を行い放射線管理区域内の病室に一泊し、翌日に一般病棟に移り、術後CT、単純写真を撮り、退院後の説明を受けて、翌日退院の3泊4日となります。

退院後も、周囲の被曝はまったく問題とならないほど微量の放射線が患者さんから出ています。ただし、挿入された小線源の総数などによっては、ごく近い距離で長時間接触する家族の方などは放射線被曝が問題となることがあります。

そういうケースでは、鉛製の薄い下着を一定期間だけ着用するようにとの指示が放射線治療医からあるかもしれません。いずれにしてもヨウ素125は、約60日で放出する放射線量が約半分になるので、患者さん放出される放射線量もその割合で減っていきます。