肺がんで使用する抗がん剤

二剤併用療法が標準的な治療法となっています

非小細胞肺がん
肺がんの約80%を占め、小細胞肺がんに比べると進行が遅いのですが、抗がん剤が効きにくいのが特徴です。

抗がん剤による治療では、シスプラチンやカルボプラチンなどのプラチナ製剤に、別の抗がん剤を加えた二剤併用療法が標準的な治療法となっています。

主なものとしては、イリノテカンとによるシスプラチン「IP療法」、パクリタキセルカルボプラチンによる「TC療法」、ドセタキセルカルボプラチンに よる「DC療法」、ゲムシタビンシスプラチンによる「GP療法」などがあります。

ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)は、重度の副作用が問題となりましたが、アジア地域の人、特に女性に対して有効なことがわかっています。また、各患者に対してこの薬の効果があるかどうかを見分ける手法や副作用を抑える方法も研究されています。

また、切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺がんを対象としたエルロチニブ(商品名:タルセバ)が2007年10月に承認されました。

小細胞肺がん
進行が早く、発見されたときには多くの人に転移がみられます。抗がん剤がよく効き、近年は生存率が以前の2倍に向上しており、限局型では治癒が期待できます。

抗がん剤治療では、イリノテカンシスプラチンの組み合わせによる「IP療法」が、第一選択肢とされています。また、シスプラチンエトポシドによる「PE療法」も有効です。

そのほか、このPE療法とシクロホスファミドドキソルビシンビンクリスチンによる「CAV療法」を交互に行うPE/CAV交代療法などが用いられることがあります。