大腸がんの腹腔鏡手術の手順

がんのある場所は、手術前日に内視鏡検査をして位置を確定し、その患部に滅菌した墨汁を注入しておきます。そうすることで、病変の場所が一目でわかります。

手術は、全身麻酔のもとで行なわれます。お腹は大きく切らずに、がんのある場所に合わせて腹部に5〜10mmの穴を複数あけ、その中の一つから腹腔鏡を入れます。

腹腔鏡の先端には小型のカメラが取り付けられていて、お腹の中の様子がモニターに映し出されます。超の内部がよく見えるように腸管にはガスが入れられ、膨らませた状態にあります。

腸壁には、がんがある場所に合わせて、鉗子用の穴があけてあるので、そこから鉗子を入れます。そして、モニターを見て鉗子を操作し、切除する腸を周囲からはがします。

腸が自由に動かせる状態になったら、お腹に5cmほどの切開部分を作り、そこから腸を引っ張り出して、病変部分を切除します。

腸を切断した部分と、もう片方の切断部分と縫い合わせる、吻合の作業を行ないます。吻合には、時間が短縮でき、技術に差が出ない機械が用いられることが多くなっています。