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エルロチニブ(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • タルセバ(中外製薬)

がん細胞の分裂や増殖を促進する成長因子は、がん細胞の表面にある受容体(EGFR=チロシンキナーゼというタンパク質)と結合することによって、そのはたらきを発揮します。タルセバはこのチロシンキナーゼのはたらきを阻害して、がん細胞の増殖を抑えるシグナル伝達阻害剤です。

適応となるがん
切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺がん。

主な副作用
重大な副作用の1つとして頻度4.9%で間質性肺炎が報告されています。そのため、院外調剤を受ける外来の患者さんに対しては、処方医療機関が、重篤な副作用について注意事項を記載した「タルセバ錠治療確認シート」を手渡し、保険薬局は同シートを所持している患者に調剤するという安全策がとられています。これは、間質性肺炎の副作用が問題となったイレッサの教訓を踏まえたものです。

またタルセバの大部分は肝臓で代謝されるので、肝炎、肝不全、ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあり、肝炎、肝不全により死亡に至った症例も報告されています。そのほか、重度の下痢により脱水症状に至る可能性も報告されています。

一般的な副作用としては、発疹、目や口の乾燥、口内炎、倦怠感、頭痛などがあります。

使用上の注意点
間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、発熱等の初期症状の確認および胸部X線検査の実施等、観察を十分に行う必要があります。

承認の条件として、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講ずること」となっているため、中外製薬では、3000例の集積を目標として、30カ月にわたり全例調査を行なっています。