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イマチニブ(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • グリベック(ノバルティスファーマ)

慢性骨髄性白血病の患者の約95%にフィラデルフィア染色体という異常染色体がみられ、チロシンキナーゼという酵素を作り出しています。この酵素が骨髄細胞の分裂を異常に起こし、白血病細胞を作り出してしまうのです。イマチニブは、チロシンキナーゼのはたらきを阻害することを目的として開発された分子標的薬です。

2009年1月にはグリベック抵抗性の慢性骨髄白血病を適応として、ダサチニブ(スプリセル)が承認されました。

適応となるがん
慢性骨髄性白血病と消化管間質腫瘍(GIST)です。正常な細胞にダメージを与えず、異常な細胞だけを狙う治療法を分子標的療法といいますが、なかでも効果が高いのが慢性骨髄性白血病に対するイマチニブです。イマチニブを毎日服用した場合、5年後の生存率は約95%です。

造血管細胞移植よりも副作用が軽く効果が高いため、慢性骨髄性白血病では第一選択薬となっています。また、インターフェロン・アルファに耐性の慢性骨髄性白血病にも効果があります。

主な副作用
最も多いのは皮膚の発疹で、それ以外にも目の周りやふくらはぎのむくみ、吐き気、下痢、肝臓や腎臓の機能の低下、筋肉の痛みなどが起こることがあります。

しかし、むくみには利尿薬を使ったり、吐き気には薬を食後に服用するといった対処を行うことで、イマチニブの副作用を軽減することが可能です。こうした対処によって、ほとんどの患者さんはイマチニブを使った治療を続けることができます。

使用上の注意点
グレープフルーツのジュースやサプリメントのセント・ジョーンズ・ワート、鎮痛剤のアセトアミノフェンは相互作用を引き起こし副作用を増強させる恐れがあるので、控えてください。

イマチニブの問題点
病気の進行を抑えるのに高い効果がある薬ですが、一定期間服用すれば完全に白血病細胞を死滅させることができるというわけではありません。基本的には、慢性期の状態を維持するためにイマチニブの服用を続けます。

薬を服用して、検査で白血病細胞が見つからなくなると"治った"と思う人もいます。しかし、途中で薬をやめてしまうと、再び白血病細胞が増殖して病気が再発することがあります。

最初は薬の効果があっても、薬を使い続けるうちに効かなくなるともあります。また、まれに初めから薬が効きにくい人もいます。