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ソラフェニブ(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • ネクサバール(バイエル薬品)

2008年1月に承認され、同年4月に発売された腎臓がんを対象とした初めての抗がん剤で、細胞の増殖やがんに栄養を運ぶ血管新生に関わる複数のキナーゼを標的としています。

適応となるがん
根治切除不能または転移が認められる腎臓がん。

主な副作用
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので定期的な肝機能検査は必須です。また、リパーゼやアミラーゼの上昇、脱毛、下痢が認められることがあります。

腎臓は血圧の調節に重要な役割を果たしているので、腎臓がんでは、ネクサバールを服用することによって、高血圧のリスクが高くなることが懸念されていましたが、臨床試験では、他のがんに比べて高血圧のリスクはそれほど高くはありませんでした。

ただし、この結果は臨床試験に参加した限られた人数での調査なので、今後、市販後調査で、ネクサバールと併用して服用しても安全な高血圧薬を見つけることが課題となります。

国内での臨床試験では、同じく腎臓がんを対象としたスニチニブ(商品名:スーテント)と同様に、手足が腫れたり皮膚が乾燥してはがれたりする「手足症候群」が、約半数程度の患者に現れています。

使用上の注意点
妊婦および妊娠している可能性のある女性には使用できません。高脂肪の食品はこの薬の血漿中濃度を低下させ、効果を弱めることがあるので食事と薬の服用の時間を開けることが必要です。

承認の条件として、泌尿器科、抗がん剤治療の専門医がいる医療機関での使用に限られ、全患者(800例まで)を登録して副作用などを調査、報告することが義務づけられています。