パクリタキセル注射剤(植物アルカロイド)

商品名(製造・販売会社)

  • アブラキサン(大鵬薬品)

2010年7月に承認された新しい抗がん剤で、パクリタキセル(タキソール)の安全性・有効性を改善する目的で開発されました。本剤の方が増悪までの時間(TTP)がより長いこと、転移性乳がんに対する第二選択薬として使用すると、生存期間をより延長することが確認されています。

従来のパクリタキセルは、呼吸困難や発疹などの重度のアレルギー症状が副作用として現われることが多く、過敏症の人には使用は制限されていました。また、投与前にはアレルギー反応や吐き気・嘔吐を防ぐための前処置として、ザンタック、デカドロンなどの投与が必要でした。

しかし、アルブミンとパクリタキセルを結合させたナノ粒子製剤である本剤は、アレルギー症状が起こる可能性の高い溶媒(溶液を作る際に使う液体)を使用していないため、これらステロイド剤等の前投薬を必要とせず、また薬剤の点滴時間が30分短縮されますので、患者への負担を軽減化し、効率よく化学療法を受けることができます。

適応となるがん
乳がん(2010年9月現在、胃癌、非小細胞肺がんを対象にした治験も行なわれています)

主な副作用
溶媒を原因としたアレルギー症状がないという点以外はパクリタキセルと同じです。主なものとしては脱毛、しびれ等の末梢神経障害、白血球減少、全身倦怠感、関節痛などが挙げられます。

使用上の注意点
承認条件として「製造販売後、一定数の症例のデータが集積されるまでの間は、全症例を対象とした使用成績調査を実施すること。」とされています。