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ネダプラチン(プラチナ製剤)

商品名(製造・販売会社)

  • アクプラ(塩野義製薬)

プラチナ製剤であるシスプラチンは、腫瘍を縮小させる効果が高く、多くのがんに適応があることから、抗がん剤治療において、重要な役割を担ってきました。

しかし、吐き気や嘔吐、食欲不振などの副作用が強く出やすいことが特徴の一つで、腎臓障害、骨髄抑制といった重篤な副作用も現れます。

この問題を受けて、副作用を抑えた新しいプラチナ製剤の開発が進められ、カルボプラチン(パラプラチン)が発売されました。ネダプラチンもこれと同様に、シスプラチンの毒性をできるだけ抑えることを目的として開発された、日本で初めてのプラチナ製剤です。

適応となるがん
頭頚部がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、食道がん、膀胱がん、精巣腫瘍、卵巣がん、子宮頸がん。

食道がんの抗がん剤治療において、現在もっとも一般的に使われている組み合わせは、シスプラチン+フルオロウラシル(5-FU)ですが、副作用が強く現れた場合などに、シスプラチンの代わりにネダプラチンを使うことがあります。

このような副作用軽減の理由から使用されるケースのほか、初回の化学療法が効かなかった場合や、その後の再発例に対する救済療法という位置づけで用いられるのも特徴です。

精巣腫瘍では、主に救済療法として、イリノテカン(カンプト、トポテシン)+ネダプラチンの組み合わせで使われるほか、パクリタキセル(タキソール)、イホスファミドと組み合わせた3剤併用療法(TIN療法)も行なわれています。

イリノテカンとの組み合わせでは、再発・進行期の子宮頸がんに対しても、ASCO(米国臨床腫瘍学会)などで良好な成績が報告されており、選択肢の一つとして期待されています。

卵巣がんでは、シクロホスファミド(エンドキサン)やパクリタキセル(タキソール)との併用が、一般的です。

肺がんでは、イリノテカンやパクリタキセル、ドセタキセル(タキソテール)といった新規抗がん剤との組み合わせが考えられ、シスプラチンと同等の効果があるという報告がなされています。

主な副作用
骨髄抑制が強く現れ、特に血小板の減少は、白血球や赤血球に比べて重症化することが多いとされています。そのほか、重大な副作用としては、間質性肺炎やアナフィラキシー様症状、難聴などが起こることがあります。

一般的な副作用としては、吐き気・嘔吐、食欲不振が多くみられます。そのほか、循環器系の副作用として頻脈や心臓障害などが、末梢神経障害として痙攣や頭痛、めまい、しびれなどがみられるケースもあります。

使用上の注意点
感染症などの治療に用いるアミノグリコシド系の抗生物質やバンコマイシンは腎毒性が強く現れる薬のため、併用すると腎臓障害が増強することがあります。