トモセラピーは変形した照射範囲が精密に設定できます

トモセラピーの特徴の一つは、従来の装置(ライナック)で強度変調放射線治療を行う場合に比較して、治療計画、計画の検証、位置確認の精度、治療手順などが大幅に省力化されることがあります。そのため、20人程度の強度変調放射線治療を毎日行うことが可能です。

治療は、上の写真のように患者さんの乗った寝台をコンピューター制御で移動して、放射線の照射を開始します。放射線は全方位から回転しながら照射範囲と線量を変化させることができます。

これが「強度変調」といわれるゆえんであり、今までは難しいとされていた変形した照射範囲が、より精密に設定できることとなり、腫瘍組織に正確に照準を合わせて治療することができます。

病巣だけを集中的に照射することにより、治療効果が上がるだけでなく、治療期間の短縮化が期待できます。また、手術で問題となる感染症や麻痺などの合併症の危険がほとんどありません。通常の手術では危険が伴う、または年齢的に不安な患者さんも安心して治療を受けることができます。

トモセラピーの副作用としては、照射部位により頭痛や下痢が生じる場合がありますが、従来の放射線治療に比べればほとんどありません。

トモセラピーの守備範囲は広く、機能的には前進のがん、多発性のがんの治療も可能ですが、その利点を最大限に生かすことができる複雑な形状が多い頭頚部のがん、前立腺がん、頭蓋底腫瘍、骨転移などを主な対象としています。

ほかの放射線治療と同様に保険が適用されますので、患者さんの負担は3割です。照射回数が少ない分、費用負担は減少されるでしょう。