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スニチニブ(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • スーテント(ファイザー)

2008年4月に承認され、同年6月に発売された消化管間質腫瘍(GIST)と腎臓がんを対象とした抗がん剤で、血管新生に関与するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)受容体と、腫瘍増殖に関与するPDGF(血小板由来増殖因子)受容体など複数の受容体を標的としています。

アメリカの学会で発表された海外データでは、治療後、がんが再び悪化するまでの期間は、インターフェロンの5か月に対し、スニチニブは11か月と倍増したものの、明確な延命効果は確認できなかったとされています。

適応となるがん
イマチニブの効果が認められない消化管間質腫瘍(GIST)、根治切除不能または転移性の腎細胞がん。

主な副作用
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので定期的な肝機能検査は必須です。また、血清アミラーゼや血清リパーゼの上昇があらわれることがあるため、本剤投与中は定期的に膵酵素を含む検査を行う必要もあります。

さらに、国内での臨床試験では、同じく転移性の腎臓がんを対象としたソラフェニブ(商品名:ネクサバール)と同様に、手足が腫れたり皮膚が乾燥してはがれたりする「手足症候群」が、約半数程度の患者に現れています。

甲状腺機能障害、脱毛、皮膚や毛髪、爪の変色が認められることがあります。

使用上の注意点
妊婦および妊娠している可能性のある女性には使用できません。めまい、眠気、意識がなくなるなどが起こることがありますので、車の運転や機械の操作は避けてください。

グレープフルーツジュースは、この薬の作用を強めることがありますので、一緒に飲むことは避けてください。

承認の条件として、泌尿器科、抗がん剤治療の専門医がいる医療機関での使用に限られ、全患者(1000例まで)を登録して副作用などを調査、報告することが義務づけられています。