日帰り治療の実際

日帰りの治療では、最初に抗がん剤治療を受けるときに、1週間ほど入院することがあります。その間に、副作用の有無、副作用がある場合にはその種類や程度などを見極め、日帰り治療が適応するかどうかが判断されます。

日帰り治療が適応すると判断された場合には、退院し、それ以降の抗がん剤治療は、自宅から医療機関に通院して外来で受けることになります。また、飲むタイプの抗がん剤を自宅で服用したり、点滴と、飲むタイプを併用する場合もあります。

抗がん剤治療を受けるために通院する間隔は、患者さんによって異なります。通常、対象となるがんの標準的治療法により治療が行われますが、決められたスケジュールに従って、3日連続して治療を受ける場合もあれば、2週間に1回の場合もあります。

なお、最近は院内に「化学療法センター」「外来治療室」などの名称で、日帰り治療を専門に行う部門が設けられている医療機関も増えています。

以前は、抗がん剤の点滴の後、経過を観察する必要があるほか、場合によっては、副作用の軽減を目的に、最初に点滴した抗がん剤を洗い流す(利尿作用)ための点滴をする必要があるなど、点滴が終わってもすぐに帰宅できなかったのが実情でした。

現在の日帰り治療では、点滴が終わればすぐに帰宅できますし、患者さんによっては、点滴の前後に食事が出来る場合もあるほど、副作用の程度が軽くなっています。

副作用について
日帰り治療で使われる抗がん剤や、飲むタイプの抗がん剤の副作用は、基本的には、入院して治療を受ける際に起きるものと同じですが、抗がん剤の進歩や副作用に対処する薬も増えていることなどによって、かなり軽減されています。

抗がん剤治療を受けている機関は、週1回検査を受け、白血球が減少した場合には、白血球を増やす薬などの副作用を軽減する薬を使用します。