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ニムスチン(アルキル化剤)

商品名(製造・販売会社)

  • ニドラン(第一三共)

日本で開発されたニトロソウレア(ニトロソ尿素)系のアルキル化剤です。ニトロソウレア系の薬は、分子量が小さく、高い脂質溶解性を持つため、血液脳関門を通過できるという特徴があります。そのため、ニムスチンは脳腫瘍の治療に、単独または併用療法としてよく用いられます。

適応となるがん
脳腫瘍、悪性リンパ腫、慢性白血病、胃がん、肝臓がん、大腸がん、肺がん、メラノーマ(悪性黒色腫)。

このように、さまざなまがんに広く適応がありますが、現在では、脳腫瘍の治療薬としての役割がもっとも代表的であり、有効な選択肢となっています。

脳には、先述の通り血液脳関門というバリアーが存在しているため、他の部位のがんと比べ、脳腫瘍では抗がん剤の効果が現れにくいことがあります。
そのため、現在、日本において脳腫瘍に対して使用可能な抗がん剤は数少なく、血液脳関門の透過性のあるニムスチンがその中心的な薬剤として使われてきました。

ニムスチンのほかには、同じくニトロソウレア系のラニムスチン(サイメリン)やインターフェロン-β(IFNモチダ、フエロン)などが用いられています。

また、2006年には悪性神経膠腫に対してテモゾロミド(テモダール)が承認され、脳腫瘍治療薬としては、実に19年ぶりに保険適用内でのあたら新しい選択肢が加わっています。

主な副作用
投与回数が増えるほど骨髄抑制が顕著となり、白血球や赤血球、血小板などの数が減少します。吐き気・嘔吐、食欲不振など消化器系の障害も現れます。まれに間質性肺炎や肺線維症が生じることがあります。

使用上の注意点
骨髄抑制による重い副作用を防ぐため、治療開始から少なくとも6週間は、毎週、血液検査を行って血液の状態をチェックする必要があります。