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エベロリムス(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • アフィニトール(ノバルティスファーマ)

腎細胞がんが進行し手術で切除できない場合や、他の臓器に転移のある患者さんに用いられる飲み薬(経口薬)です。本剤で同じ分子標的薬であるスーテント(一般名:スニチニブ)またはネクサバール(一般名:ソラフェニブ)による治療歴のある患者さんへの有効性が確認されています。

1日1回の服用でOK

細胞の中にはmTOR(エムトール)という分子があり、細胞の分裂や増殖を促す信号を調節するスイッチの役割を果たしています。がん細胞では、このmTORのスイッチが壊れており、信号が常に送られている状態になります。

エベロリムスは、がん細胞の中にあるmTORの働きを阻害し、細胞の増殖にかかわる過剰な信号を遮断することにより、がん細胞の増殖や血管新生を抑制します。

1日1回時間を決めて、空腹時(食事の1時間以上前あるいは食後2時間以降)にコップ一杯の水あるいはぬるま湯と一緒に服用します。

適応となるがん
根治切除不能または転移性の腎細胞がん

主な副作用
間質性肺炎、感染症、口内炎、高血糖、高脂血症

使用上の注意点
アフィニトールには、免疫抑制効果がとても強いため、B型肝炎を活性化させてしまうという副作用があります。国内外でB型肝炎の再活性化を起こし、劇症肝炎を発症して死亡したケースも複数報告されています。

本剤に限らず一般の抗がん剤にも免疫抑制効果があるので、B型肝炎キャリアの患者さんに投与する際には十分な注意が必要ですし、抗ウイルス剤の適応にもなります。

またアフィニトールの注意が必要な副作用としては「間質性肺炎」も挙げられます。咳・発熱・呼吸困難などの症状が現れたら、すぐに主治医に相談してください。また、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品や、グレープフルーツを一緒に服用してはいけません。