卵巣がんで使用する抗がん剤

一般に卵巣がんは、抗がん剤がよく効くがんに分類されており、治療効果も向上しています。
抗がん剤の使用により、40%以上でがん細胞の完全消失が認められます。しかし、全身再発を起こした場合は、延命効果はみられても完治することは稀です。また、組織型によっては、あまり効かないケースもあります。

抗がん剤治療は、Ta期以外では必ず必要とされています。シスプラチンは手術不能な進行がんにも効果があり、単独または併用療法として広く用いられています。

一般的なのは、CAP療法(シクロホスファミドドキソルビシンシスプラチン)の多剤併用療法です。そのほか、CP療法(シクロホスファミド、シスプラチン)、EP療法(エトポシド、シスプラチン)、JP療法(カルボプラチン、シスプラチン)、TP療法(パクリタキセル、シスプラチン)、TJ療法(パクリタキセル、カルボプラチン)などがあります。

卵巣がんは発症年齢がほかのがんと比べて低いため、再発の可能性が比較的高くなっています。そして、治療を続けるうちに、これらの抗がん剤は効かなってきます。その際に用いられるのが、再発した卵巣がんを追加適応として2009年4月に承認されたドキシルです。

再発した卵巣がん患者の約20%で、がんが小さくなるなどの効果があるとされています。生存期間をどれだけ延ばせるか明確なデータはまだありませんが、がんに伴う痛みなどの症状緩和が期待できます。