腎臓がんで使用する抗がん剤

腎臓がんは現在のところ、手術のみが完治を期待できる治療法です。抗がん剤の効果はあまり望めないとされていますが、その中では、生物学的応答調節剤が多少の効果を見せています。

がんの転移が認められる場合には、インターフェロン・α(アルファ)が用いられます。
特に肺転移に有効で、患者の20〜30%に転移巣の収縮がみられるとされています。インターフェロンは自己注射が認められているので、外来での治療が可能です。

2008年、腎臓がんに対する初の抗がん剤となるソラフェニブ(商品名:ネクサバール)とスニチニブ(商品名:スーテント)が承認されました。対象は、転移があるなど進行したがんのみです。

アメリカの学会で発表された臨床データでは、治療後、がんが再び悪化するまでの期間は、インターフェロンの5か月に対し、スニチニブは11か月と倍増しましたが、明確な延命効果は確認できなかったとされています。

承認の条件として、泌尿器科、抗がん剤治療の専門医がいる医療機関での使用に限られ、全患者を登録して副作用などを調査、報告することが義務づけられています。