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セツキシマブ(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • アービタックス(メルク)

アバスチンと同じく、大腸がんを対象としたモノクローナル抗体です。モノクロナールとは、「特定の物質だけに結合する抗体を選び、人口に作り上げたもの」という意味合いですが、体内の特定の分子を狙い撃ちにして、その機能を抑えるはたらきをするため、分子標的薬と呼ばれています。

アービタックスは、がん細胞が増殖するために必要なシグナルを受け取るEGFR(上皮成長因子受容体)というタンパク質を標的としています。アービタックスがEGFRと結合すると、がん細胞の表面に顔を出してアンテナの役割を果たしているEGFRは働けなくなり、その結果、シグナル伝達が遮断され、がん細胞は増殖できなくなります。

適応となるがん
治癒切除が不可能な進行・再発の大腸がん。
アービタックスについての臨床試験は「BOND試験」が有名です。イリノテカンで進行を止められなかった転移性・進行性の大腸がん患者218人に対して、イリノテカンとアービタックスの併用療法を行なったところ、半数の患者で進行を4ヶ月以上遅らせることができ、20%の患者さんでは50%以上の縮小がみられました。

第一治療で、FOLFOX療法(フルオロウラシル+レボホリナート+オキサリプラチン)+アバスチンが勧められているので、FOLFIRI療法(フルオロウラシル+アイソボリン+イリノテカン)+アービタックスの組み合わせで使用されるのではないかと予想されています。

なお、アバスチンとアービタックスに続く大腸がんの分子標的薬としては、パニツムマブ(欧米で承認済み)、マツズマブが開発され、現在臨床試験が行なわれています。

主な副作用
併用療法で生じた副作用には軽微なものが多く、イリノテカンの副作用を増幅させることはなかったとされています。

アービタックスに特有の副作用としては、海外の臨床試験では皮膚障害、とくに発疹が報告されています。しかし、アバスチンの血栓などに比べて、皮膚の発疹はコントロールが可能なので、扱いやすい副作用といえます。